クルトガ
Twitterのトレンドに「クルトガ」があるのを見て、ふと思い出した話。
中学生のとき、全校集会が終わったあとに体育館でシャーペンを拾った。
さてどうしよう。
「シャーペンが落ちてました」と先生に伝えたところで、全校の中から「それ自分のです」と名乗り出る人がいるとは思えないし、そもそも1年から3年の各クラスで「えー今日全校集会のあとで体育館でシャーペンが落ちていました」と先生が呼びかけている様子も想像がつかない。
もっとそもそもなことをいえば、全校集会のあとで「シャーペンが落ちてました」と伝えられる先生も、職員会議の場で「シャーペンが1本落ちていたそうなので、各クラスで連絡をお願いします」と発言する自分の姿を想像して、きっと憂鬱な気持ちになるだろう。その気持ちは容易に想像がつく。
だから、自分がこのシャーペンを先生に届け出たところで誰もいい思いをしないし、このままシャーペンをほっといたとしたら、そのことを想像しない誰かが先生に届け出てしまうかもしれない。
それは不幸をもたらすだけだ。
というわけで体育館で拾ったクルトガを、ずっと大事に使い続けた。
大学受験もそいつのおかげで乗り切った。
本当の持ち主は誰だったのかちょっと気になる。
盗人の分際で恐縮だが、体育館でシャーペンを失くしてどれくらい困ったのか知りたいし、その程度に応じて謝りたい。
というか書いてて思ったけど、ただの超開き直り窃盗犯ですね自分。
8年越しに、罪を償いたい。